本日のニュース

そもそもこの日記のタイトルもGaN結晶成長からとってるのでこのタイミングで触れておきたい。
日亜が中村氏のプライドを切り裂きました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060211-00000010-kyodo-soci
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060211/113219/
ちょっとでも興味を持った人向け。
http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/nakamura/


昨年、一昨年と世間を騒がしてきた、いわゆる中村裁判。(もちろんその前からやってるんだが)
最終的に相当の対価が604億(支払いは200億)から金利含め約8億円にさがり決着。
中村氏は「日本の司法は腐っている」の台詞を残して裁判が終了しました。
このときなぜかニュースや新聞で大々的に扱われたものだから、
「中村さんかわいそう」とか、「これだから日本で技術が育たないんだ」とか、
発明ということを考えたことがない人まで判決を批判する始末。
かなり辛口を書くと、
とりあえず「中村さんは何をやった人?」って聞いて「青色発光ダイオードの発明者」とか
言っちゃう人に、この裁判の判決を批判してほしくないと思います。
もちろんニュースをみて、604億って金額がすげーとか、
これをきっかけに技術や発明に興味を持つことはとっても良いことなんですが、
中村氏の功績を何も知らないのに、技術者が正当に評価されていないと言いうのはあまりに軽率な批判だと思った。
ツーフローでは高品質な素子にならないことをしっかり報道しない方が悪いのかも知れないけど。
個人的に言わせてもらえれば「非常に妥当な金額に落ち着いた」としか思いません。
正確な相当の対価は、日亜とクロスライセンス先C社、O社、L社、T社+S社しか分からないけど、
604億を算出したまさにドンブリ勘定と違って、今回はツーフロー特許や蛍光体特許の貢献度を
個別に算定して詳細な算出がされた資料をみて安心した。
司法は腐ってないと思います。
社員発明の大原則として社員は会社の金で会社に貢献するために発明するんだから
それを受け入れざるを得ないのは社員として契約したときから分かっていること。
それ自体を覆すのは流石に無理です。
ただ、この裁判が各社「相当の対価」に対して社内規定をしっかり設けて、
発明者の地位を確立させるためのマイルストーンになったことはとっても重要でした。


で、話は戻るけど今回の特許放棄。そもそも先の裁判で自己矛盾してまでも
先行例を提示してたから当然と言えば当然だが中村氏に対する嫌がらせ感が素敵です。


えーっと、最後になりましたが、
俺は中村氏を「技術者として」尊敬している。本にも感銘を受けた。
この悔しさをばねにもう一花咲かせたら神ですね。